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1: 名無しさん@涙目です。(北海道) 2011/07/05 10:36:43
 列車に乗ると、窓の外に城が見える。日本全国に大名がいて、大名は城に住んでいたから、日本全国に城はあった。もちろん、明治維新で壊されたとか戦火で焼けたとか自然に朽ち果てたとかで、もはや日本中に城があるわけではない。しかし、思いもかけぬところに城が建っているとハッとなる。とはいえ、城なんて知識もなくただボンヤリ見ているだけなので、「現存12天守閣」と言われた時に思い浮かぶのは名古屋城に大阪城に熊本城である。

 しかし本書を読むと「それは違う」ことを知る。現存天守閣とは幕末から続く天守のことで、他は「復元天守」「復興天守」「模擬天守」である。この言葉を覚えただけでもこの本を読んだ甲斐がある。復元は「資料に基づいて忠実に再現したもの」復興は 「天守のあった場所に建ってるけど史実に沿ってない」模擬は「天守がなかったのに 勝手に建てたりしてる」ということだそうです。

 話は違うけれど「競馬の三冠」というと、競馬を知らない人はつい天皇賞をその中に
入れる。現存天守と言われて「大阪城!」なんて言われると、天守閣ファンは天皇賞を 三冠呼ばわりされる競馬ファンと同じ気持ちを味わうのだろう(と勝手に想像)。

 12の天守閣をすべて丁寧に紹介してある。そして現存天守閣はすごく貴重なものな のに、それをきちんとアピールしていないことがよくわかる。というのも、私が今まで 住んでた土地の、ほとんど顧みなかった天守閣が、その現存天守だったのである。驚い た。こないだまで住んでました、松山城の城下に。現存天守だったのか。

 彦根城や姫路城みたいなビッグネームが現存天守なのはさすがと思うが、やっぱり現 存天守のキモは「片田舎の城」にこそある。丸岡城、宇和島城、備中松山城。こんなと ころの城がしんみりと生き残っているのは素晴らしい。もっと盛り上げてやってほしい。 と言いつつ、そのへんの金持ちが勝手に自宅に造った天守閣みたいなものにも強く惹 かれるのだが。

http://book.asahi.com/shinsho/TKY201107040153.html

【江戸時代から残ってる天守閣は全部で12、当然全部言えるよな】の続きを読む