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4: 日本@名無史さん 2009/11/24 04:11:28
『兎園小説』の「突といふ沙汰」に障害者とホームレスを狙った無差別殺人事件が載っている。 

文化3年正月の末から、夜に往来の盲人、乞食、躄などの人達を槍で突き殺すという事件が起きた。 

二月の中ごろよりさらに頻発し、三月の始めになって事件は止んだ。 
三月四日、芝車町より出火、浅草まで延焼する火事があったが、その火事の後またもや槍で突き殺す事件があって、 日が落ちてからは人々は用心して外出するものもいなくなった。 

そのような事で、夜には往来も人影が少なくなったからであろうか、 犯人は時を得たように益々犯行を重ねるようになった。 

ただ専ら盲人や下賎な身分のものが被害に遭い、上流の人が殺されるということは無かった。 
盗賊がこの事件を起こしているのかというと、さのみ金銀に目が眩んでいる様子もなく、 いかにも不思議なこととして、公儀からも厳重に注意するよう言い渡され、 町中でも夜番などをして尚一層の警戒をしたが、一向に犯人は明らかにならなかった。 

(つづく)
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