1 :ニュース二軍+板記者募集中!@pureφ ★:2012/09/21(金) 13:02:23.14 ID:???
瓶入り手紙、最古記録とその歴史 

 北海を漂うこと98年、簡素なガラス瓶に入った紙切れが2012年4月、シェトランド諸島付近でスコットランドの船長に網で 引き上げられた。しかしその紙切れは、失恋の手紙でもなければ、孤島に置き去りにされた船員のSOSでもなかった。 

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Photograph courtesy Marine Scotland 

 そこにはこう記されていた。「この葉書を発見した場所と時をご記入の上、お近くの郵便局からご投函ください。折り返し、 これが海に放流された場所と時をお教えします。われわれの目的は、北海の深層海流の方向を調査することです」。ロマン チストには期待はずれな内容だ。 

 アンドリュー・リーパー(Andrew Leaper)氏によって発見され、これまでに回収された最古のものとして8月30日にギネス 世界記録に認定されたこの“瓶入り手紙”は、約100年前に科学実験のために放流された。グラスゴー航海学校(Glasgow School of Navigation)のC・ハンター・ブラウン(C.Hunter Brown)船長が、近海の潮流を調べる目的で、1914年6月 10日に海に流した1890本のうちの1つで、「646B」という番号が割り振られていた。 

「漂流瓶は、20世紀初頭の海洋学者に重要な情報をもたらし、スコットランド近海の水循環パターンを知る手がかりに なった」と、政府機関スコットランド海洋研究所(Marine Scotland Science)のビル・タレル(Bill Turrell)氏は声明の 中で述べている。 

 アバディーンにあるスコットランド海洋研究所では、今もブラウン船長の日誌を保管し、新たな情報を書き加えている。 
タレル氏によると、放流地点からわずか15キロのところでリーパー氏に発見された瓶は、ブラウン船長の実験で回収された 315本目の瓶になるという。すべての瓶には「海底辺りを流れるよう特別な重りがつけられていた」とタレル氏は述べているが、 
これはトロール漁船の網に引っかかるか、いずれ浜辺に打ち上げられるようにするためだ。 

 奇しくも、それまでの瓶入り手紙の最古記録は、マーク・アンダーソン(Mark Anderson)氏が2006年に発見した1917年の 手紙だったが、アンダーソン氏はリーパー氏の友人で、航行していた船も同じ「コーピアス(Copious)号」だった。「これは 驚くべき偶然だ。宝くじに二度当たるようなものだ」とリーパー氏は声明の中で述べている。 

◆“瓶入り手紙”の歴史 

 98年前のものが見つかったといっても、むろんそのはるか以前から人々はメッセージを瓶に入れて流してきた。紀元前 310年ごろ、ギリシャの哲学者テオプラストスは、地中海に大西洋の水が流入していることを証明するため、封をした瓶を 海に投げ込んだという。ただし、拾った人から返事が来たという記録はない。 

 16世紀には、イングランドの女王エリザベス1世が、漂流瓶には自国のスパイや艦隊からの秘密連絡が含まれている かもしれないとの考えから“海洋瓶の開栓係”を任命し、それ以外の者が瓶を開ければ死罪とした。 

 18世紀には、マツヤマ・チュウノスケ(Chunosuke Matsuyama)という日本の船乗りが、宝探しの航海途中に船が難破し、43人の乗組員とともに南太平洋の島に打ち上げられた。マツヤマはココナツの木切れにメッセージを彫りつけ、 瓶に入れて海に流した。瓶は1935年になって、おそらくマツヤマが生まれたのと同じ村で発見された。 

 20世紀には、第1次世界大戦で死に瀕した兵士たちが、愛する人々への最後のメッセージを瓶に入れて流した。大戦 中の1915年、魚雷を受けて沈没した客船ルシタニア号に乗っていた旅客の1人が、急を告げるメッセージを海中に投じて いる。ある報告によると、そこにはこう書かれていたという。「数名の人たちとまだデッキにいる。最後のボートが出発していった。 われわれはみるみる沈んでいく。近くにいる人たちが司祭とともに祈っている。最後は近い。おそらくこの手紙は・・・」。 

>>2あたりに続く 

Jeremy Berlin/National Geographic News September 19, 2012 

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